甲子園歴史館ブログ

ケンタッキーと甲子園

2008.02.05 Tuesday
こんにちは。今回は、永井が担当させて頂きます。
プロ野球は、いよいよキャンプインしました。球春間近!と言いたいところですが、寒い日が続きます。雪
ここにきて雨も多く、ここまで順調だったリニューアル工事の工程にも多少なりとも影響が出ているようですが、残りおよそ一ヶ月!ラストスパートといったところでしょうか?

さて先日、内野エリアのイートンインレストラン4店舗の概要を発表させて頂きました。
詳細はこちらをご覧下さい。

この中で一際注目を浴びたのが、なんといってもケンタッキーフライドチキンの出店です。
阪神タイガースが1985年、21年ぶりのセ・リーグ優勝を果たした日、道頓堀に集まったタイガースファンが、店頭のカーネル・サンダース人形を優勝の立役者バース選手に見立てて胴上げした後、道頓堀に投げ込んだという話は、タイガースファン以外の方でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

1985年日本一のわずか2年後、タイガースは、最下位に転落します。その翌年のシーズン開幕前、朝日放送の人気番組「探偵!ナイトスクープ」が、このカーネル人形を番組内で取り上げ、ダイバーによる道頓堀川底探索を行いましたが、ついに人形が発見されることはありませんでした。
投げ込まれた人形は、発見されず、更にタイガースは、その後も低迷したこともあり、
「タイガースが優勝できないのは”カーネル・サンダースの呪い”のせいでは?」汗
とファンの中で噂されることとなってしまったのです。そのため今回は、世紀の手打ち!?として大きく報道されました。

チームが、長期低迷すると出てくるこの手の話は、日本に限ったことではありません。最も有名な話は、松坂投手・岡島投手が所属するボストン・レッドソックスの「バンビーノの呪い」です。ご存知の通り、バンビーノは、「ベーブ・ルース」の愛称で、1920年、経営難にあえいでいたレッドソックスが、金銭トレードでベーブ・ルースをニューヨーク・ヤンキースにトレードして以来、2004年のワールドシリーズ優勝まで86年間、優勝の美酒を味わえなかったことに由来します。
逆に当時最下位が定位置だった弱小球団ヤンキースは、常勝チームとなり、年間観客動員も大リーグ史上初めて100万人を突破、新球場建設の必要性が生じました。その新球場こそ現在のヤンキースタジアムであり、そのためヤンキースタジアムは、「ルースが建てた家」お金お金お金との異名を持ちます。今でもヤンキースタジアムのオーナールームには、ベーブ・ルースのトレード契約書が飾られています。拍手

もう一つ有名な話が、今シーズンから福留選手が所属するシカゴ・カブスの「山羊の呪い(ビリー・ゴートの呪い)」です。シカゴの酒場主ビリー・サイニアスさんは、飼っていた山羊の分のチケットも購入し、球場に連れて行くのが日課でしたが、1945年のワールドシリーズ第4戦で突如、山羊の入場を拒否されてしまいます。怒ったビリーさんは「2度とこのリグレー・フィールド(カブス本拠地)でワールドシリーズをプレーすることはないだろう」と呪いをかけたといいます。カブスは、その試合から3連敗し、チャンピオンを逃しただけでなく、なんとこの1945年を最後にリーグ優勝とワールドシリーズ進出ができなくなり、ワールドシリーズ優勝にいたっては1908年以来なんと100年近くも遠ざかっているのです。冷や汗

タイガースは、2003年に18年ぶりにセ・リーグを制し、2005年にもリーグ優勝していますが、1985年以降日本一にはなっていません。
「カーネル・サンダースの呪い」から解放され、タイガースが日本一になるためにも、カーネル人形へのいたずらは絶対しないで下さいね!


auther : 歴史館担当者 | - |