甲子園歴史館ブログ

(旧)甲子園ホテル

2007.09.03 Monday
みなさんこんにちは。本日は東が担当します。
早いもので9月に入り、本格的なリニューアル工事の開始まであと1ヶ月を切りました。

「歴史と伝統の継承」というリニューアルコンセプトに沿って、歴史的なものは残そうという今回の工事ですが、移設等によって残すものの、どうしても一時的には解体する必要のあるものもでてきます。
先月に行われたバックステージツアーにご参加いただいた方にはごらんいただけたのですが、貴賓室もその一つです。

今回は、甲子園球場とはあまり関係のない話ですが、甲子園に比較的近い場所にあり、その貴賓室と時を同じくして作られた歴史的建造物についてご紹介をしたいと思います。その名は「(旧)甲子園ホテル」。竣工は昭和5年。甲子園球場からだと北に向かい、歩くと30分以上はかかる場所にあります。設計者は有名な建築家フランク・ロイド・ライトの愛弟子、遠藤新。当時は、東の「帝国ホテル」、西の「甲子園ホテル」と称される豪華ホテルだったらしいです。






実際に本物をみてみると、その通り、お金かかってます。先日、ホテルの建築ラッシュが続く東京で、新たに1泊75,000円のホテルが誕生するというニュースがありましたが、このホテルも1泊した場合の料金ってすごく高かったのではないでしょうか。



甲子園ホテルには、皇族をはじめ数多くの要人が宿泊をしたそうで、あのベーブ・ルースも宿泊したことがあるとのこと。でも、実はホテルとしてはほんの十数年でその幕を下ろします。第2次世界大戦中に国の海軍病院となったためです。終戦後は米進駐軍に接収されましたが、昭和30年代に入り国の管理下となりました。

その後、昭和40年に、武庫川学院が国から譲り受け、改修の後、現在は「甲子園会館」として、大学のメインキャンパスの一部として利用されるとともに、一般の方でも見学できる施設となっています。

こういう建物が、ほとんど当時のまま残っていて、一般にも解放されているというのは、ほんと、すばらしいことです。
甲子園球場の貴賓室も、一時的に解体はしますが、また新たな形で、皆さんにもご覧いただけるようにしたいと思います。
auther : 歴史館担当者 | - |