甲子園歴史館ブログ

ベーブ・ルースと甲子園

2007.05.07 Monday
 こんにちは。甲子園球場リニューアル担当者のブログ、今回は私、永井が担当させて頂きます。
 ゴールデンウィーク中、タイガースは残念ながら連敗してしまいました。明日からは宿敵ジャイアンツを甲子園球場に迎え撃っての3連戦。伝統の一戦を契機に5月攻勢を期待したいものです。

 この伝統の一戦は、1936年のタイガース誕生以来70年以上に渡り幾多の名勝負を生み甲子園球場史を彩ってきました。そのタイガース誕生から遡ること更に2年−1934年には大リーグ選抜のオールスターチームが来日し、日本各地で試合を行ない、甲子園球場でも11月24日、25日と2試合を開催しています。甲子園球場は1924年の開場ですから、この時既に10年以上経っていることとなります。

  その来日メンバーの中で最大の目玉は、何と言ってもベーブ・ルースでした。ベーブ・ルースは翌年に引退しますので既に全盛期とは言えなかったかのかもしれませんが、スター選手の来日は話題となり、各地で大歓迎を受けました。これが日本のプロ野球誕生へと結びつきます。
 当時の甲子園球場は両翼110m、左右中間は128mと今以上にフィールドは広く、ルースをして「この球場は大きすぎる(ホームランは打てない)」と言わしめたという逸話も残っています。

 ルースは、通算714号のホームランを放った後、引退しますが、このホームラン記録は、その後39年間破れることのなかった金字塔でした。
 引退後、1948年に癌により53歳の若さで亡くなるのですが、その翌年、甲子園球場では、偉業を讃えベーブ・ルース記念碑を建立します。
 球場の正面、8号門横に設置された記念碑は長年に渡り球場の隠れ名所として親しまれてきました。来場した際に記念写真を撮影したことのある方も多いのではないでしょうか?
 
 そして驚くことに記念碑設置から56年経った2005年にこのレリーフはアメリカに里帰りすることとなったのです。その年ルース生誕地のボルティモアにベーブ・ルース記念館が移設させることとなり、「アメリカにもこのような綺麗なレリーフは残ってない」ということから、この記念碑のレプリカを制作し贈呈しました。なんと彼が来日してからは71年目のことです。

 今回のリニューアル工事では外壁を補強するため、この親しまれてきたベーブ・ルース記念碑を一時的とは云え、撤去せざるを得ないこととなりました。工事が完了するまでどこかに保管する必要性が生じたのですが、リニューアル期間中も来場した方にはご覧になって頂こうと現在、タイガース史料館にレリーフを展示しています。

 あのベーブ・ルースがプレイした同じ球場で平成生まれの高校球児が熱戦を繰り広げるのですから改めて伝統を感じずにはいられませんね。
皆さんも是非球場にお越しの際はタイガース史料館まで足を伸ばし、レリーフを見ることで甲子園球場の歴史を感じて頂きたいと思います。
auther : 歴史館担当者 | - |